相続税法改正と対策
2015年度税制改正のポイント
相続税の改正が決定しました。2015年よりこの改正が施行されることで、相続税対象者が大幅に増加されると見込まれています。
あらかじめ、自分が相続税の対象かどうかを調べ、適切な対策をとっておくことをお勧めします。
ポイント1:相続税の基礎控除が4割縮小!
現行よりも相続税の基礎控除が下がるため、今まで相続税がかからなかった家庭も課税されるケースが増えます。一方で、未成年者や障害者の控除は強化されるようになります。
基礎控除
現在 5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数
改正 3,000万円+600万円×法定相続人の人数
未成年者控除
現在 6万円×20歳までの年齢
改正 10万円×20歳までの年齢
障害者控除
現在 6万円×85歳までの年齢
改正 10万円×85歳までの年齢
※特別障害者の場合、12万円⇒20万円になる予定です。
ポイント2:相続税の税率が5%アップ!
遺産の総額が2億円超3億円以下の人と、6億円超の人は税率が現在よりも5%高くなります。
法廷相続分に応じた基礎控除 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
– |
3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
1億円以下 |
30% |
700万円 |
2億円以下 |
40% |
1700万円 |
3億円以下 |
40% ⇒ 45% |
1700万円 ⇒ 2700万円 |
6億円以下 |
50% |
4700万円 ⇒ 4200万円 |
6億円超 |
50% ⇒ 55% |
4700万円 ⇒ 7200万円 |
ポイント3:子や孫への贈与がしやすくなる!
父母や祖父母など直系尊属から20歳以下の人3,000万円以下の贈与を受ける場合には、全体的に税率が低くなります。(パターンA)
また、3,000万円を超える高額な贈与は、税率の引き上げがある一方、1,000万円~1,500万円以下は現在より5%低くなります。(パターンB)
基礎控除を差し引いた |
パターンA |
パターンB |
||
税率 |
控除額 |
税率 |
控除額 |
|
200万円以下 |
10% |
– |
10% |
– |
300万円以下 |
15% |
10万円 |
15% |
10万円 |
400万円以下 |
20%⇒15% |
25万円⇒10万円 |
20% |
25万円 |
600万円以下 |
30%⇒20% |
65万円⇒30万円 |
30% |
65万円 |
1,000万円以下 |
40%⇒30% |
125万円⇒90万円 |
40% |
125万円 |
1,500万円以下 |
50%⇒40% |
225万円⇒190万円 |
50%⇒45% |
225万円⇒175万円 |
3,000万円以下 |
50%⇒45% |
225万円⇒265万円 |
50% |
225万円⇒250万円 |
4,500万円以下 |
50% |
225万円⇒415万円 |
50%⇒55% |
225万円⇒400万円 |
4,500万円超 |
50%⇒55% |
225万円⇒640万円 |
50%⇒55% |
225万円⇒400万円 |
ポイント4:教育資金の一括贈与が可能に!
贈与を受ける側が30歳未満の直系尊属の場合、教育資金としてならば最大1,500万円(学校外に支払われる金銭については500万円)まで一括で贈与しても贈与税がかかりません。
<条件>
平成25年4月1日から平成27年12月31日までに、金銭を拠出して金融機関に預けた場合。教育資金とは、学校などに支払う入学金や学校以外に支払う金銭のこと