相続発生後の原因による相続登記の要否
相談前状況
Kさんの所有する宅地は、公道に2m以上接しておらず、いわゆる建築基準法に定める接道義務を満たしていませんでした。
そこでKさんは、今後家を建て替えたり、売却する際に支障が出ると思い、隣地の所有者に土地の一部を譲ってもらえないか相談しました。
相談の結果、2m以上接道となるよう隣地の一部を譲ってもらうことで話がまとまりましたが、しかし隣地の登記簿を調べてみると、名義は亡くなった夫名義のままであることが分かりました。
この様な場合、一度相続登記を申請しなければ、土地の一部を譲ってもらうことはできないのでしょうか。
解決方法
今回のケースのように、相続発生後の原因で土地の所有権を移転する場合には、相続人名義に所有権を移転する必要があります。
そこで、まず相続登記を申請し相続人名義に土地の名義を変更しました。
その後、今回は土地の一部を売り渡すことになりますので、譲り渡す部分とそうでない部分に土地を分ける登記(このような登記を「分筆登記」といいます)を行い、土地の一部をKさんに譲り渡すことにしました。
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解決後状況
分筆登記を終えるまで半年ほどの時間がかかりましたが、最終的に分筆された土地の一部をKさんは購入することができ、無事に所有権の移転登記をすることが出来ました。
結果、Kさんの所有する宅地は、建築基準法の接道義務を果たし将来の不安は解消されました。
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