完済から30年を経過した抵当権の抹消登記
相談前状況
昨年、妻を亡くしたSさんは、妻名義の不動産を相続登記しなければと思い不動産謄本を取得しました。
妻所有の不動産には抵当権などの担保権はないと思っていましたが、謄本を確認してみると、既に完済しているはずの抵当権が抹消されず、未だに謄本上に残っていることが分かりました。
完済から30年以上が経過しており、当時の書類は一切残っていません。
また抵当権者であった会社もすでに消滅しているようです。
このような場合、抵当権を抹消する方法はあるのでしょうか。
解決方法
今回のケースでは、当時の書類は一切ありませんでしたので、まず始めに不動産謄本上に記載された抵当権者(会社)が現在どのような状態にあるのかの調査から始めました。
調査のため法務局から謄本を取り寄せ、数か所の法務局を経て無事に最後の謄本を取得することができました。
取得した謄本を確認したところ、清算結了(会社消滅)当時の清算人が判明しました。
そこで、さっそく清算人宛に手紙をだしたところ、幸い清算人から連絡があり、なんとか抵当権の抹消登記に協力してもらうことができました。
解決後状況
その後清算人と数度のやり取りを経て、無事に抵当権を抹消することができました。
今回のように完済後に抵当権を抹消せず放置した場合、その後に抵当権者である会社がなくなってしまうなどといったケースがあります。
また、書類一切を紛失しているようなケースですと、そうでない場合に比べて完了までに多くの時間や費用が掛かりますので、完済後は速やかに登記申請することをお勧めします。
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